Vol.15 (2006.11月) 安達瞳子さんの言葉 |
――日本人にとっての「花」というのは命の象徴なんですね。
あの人は「花」があるわね、いままさに人生の「花」ね、なんて言い方をしますよね。燃え上がり、輝いている様を表す言葉ですね。花道もそうあるべきで、野山に咲いていたとき以上に、その花の命を輝かせ得なければ作品になりません。
そして、できるだけ少ない花で広い空間に、命の気配を漂わせることができたら成功なんです。(略)
たとえば、椿は山から持ってきて、切って、切って、切って、一輪にする。
椿の場合は、近づけば近づくほど自己主張する花なんです。一方、桜は遠目から雲か霞かという満開の漲(みなぎ)りを眺めれば、あぁと感嘆するのだけど、一輪に短く切って挿すと、全然駄目。
花それぞれの個性を尊重する姿勢を持ってないと花は生けられないと、この頃痛感しています。でも決めつけたら花に失礼になる。
毎年春夏秋冬「はじめまして」って挨拶して、あらたな発見をするんです。
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| ―斎藤孝『女性に必要な12の力』(対談集)より |
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安達瞳子さんは、花芸安達流を主宰していた花道家(あえて「華道家」ではなく「花道家」と名乗っていらっしゃいました)です。昨年亡くなられましたが、凛とした表情を、雑誌やテレビで見たことがある方も多いと思います。
引用したのは、『声に出して読みたい日本語』ほかのベストセラーで知られる斎藤孝さんとの対談集での発言です。
自分の容姿をほめられることはそれほど多くはありませんが、これまで贈られたほめ言葉で一番うれしかったのが「あなたには、花がありますね」という言葉でした。
ただきれいといわれるよりも、「花がある」という言葉には、いきいきとした輝きをほめていただいたような気がしたからです。「花とは命の象徴」「命の気配を漂わせる」という言葉を読んで、あの感覚はやはり間違っていなかったのだなと思いました。
実をいえば、もう少しあごがシャープだったらいいのに、どうして、こんなに鼻が低いのかしらと、あれこれ悩みながら、暗い気持ちで鏡とにらめっこをしてしまう夜があります。でも、目鼻立ちよりも、一番気になるのは、自分の笑顔がチャーミングかどうか。どんなときにも花が咲くように笑う人でありたいと思うのです。
どんなに体調が悪くても、どんなに嫌なことがあっても、暗い表情で人と会うのはそれだけで失礼なことだと、幼いころから繰り返し言われて育ちました。確かに、少し無理をしてでも、人と会うときには、明るい顔と声で・・・・・そう心がけると、まず自分自身の気分が前向きになって、その気分は確実に相手にも伝染するようです。
これは経験上学んだことですが、笑顔を向けられて、仏頂面でい続けることができる人には、これまで会ったことがありません。
決して華やかではなくていいけれど、でも、これからも私なりの「花」を感じさせる女性でありたいと思っています。
※注: 「瞳」は正確には日へんです
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Vol.14 (2006.11月)
フランソワーズ・モレシャンさんの言葉 |
――「香り」というと、思い出すことがあります。
娘がまだ小さい頃、私が仕事で夜遅く帰るときには、私が普段使っている香水を彼女の勉強部屋の電球につけておきました。こうすると、彼女が帰ってきて、家でひとりでも電気をつけると、ママンの香りが・・・・・・。
ちょっと懐かしいエピソードでした。 |
| 『おしゃれに奇跡はありません』 |
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香りのおしゃれが上手な人になりたいと思います。
別れたあとに、かすかな香りが残るような。
時折、こちらが酔いそうになるほど、たっぷりの香水をつけている人に会うたびに、こっそりと自戒します。
つけるときは、軽い香りを、下半身にだけ軽くつけるようにしています。
香りとの付き合い方は、かなり気をつけているつもりだったのに、先日、失敗をしてしまいました。
夜にお茶のお稽古があることを忘れて、つい香水をつけてしまったのです。
一日仕事をするうちに、香りはずいぶんと薄れてはいましたが、お茶室に入ったとたん、香水が気になって気もそぞろになりました。
静謐な雰囲気の中で、かすかにたちのぼるお香や炭の香りをも愛でるお茶室では、どれほどかすかな量であれ、やはり香水はマナー違反なのだと痛感しました。
ところで、これが私の定番といえるほどの香りには、実はまだ出会えていません。
オリジナルの香水を調合してもらったこともあるし、HAPPY、ZEN・・・・そんなネーミングに惹かれ、おまじないのようにつける香水も棚に並んでいます。
でも、忙しいときには、ついつけ忘れてしまうような香りばかりなのです。
そろそろ、香りのおしゃれが上手な人になりたいと思います。
つけている香りと、パーソナリティの調和が取れていて、「彼女らしいな」と思ってもらえる香り。
そんな香りを早く見つけられたらいいのにと思います。
例えば、何年間も会えないでいる人が、何かの拍子に私のことを香りとともに思い出してくれるような。
そんな女性になれたらいいのにと思います。
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